細雪
2016・10・27(木)
また昭和が遠くなった、三笠宮が逝去、息子三人を男盛りの年齢でなくした時は親としてどんな心境だったろう。自分は歴代皇族で(明治以後)一番の長寿、複雑だなと思う。
ネットとブログはバカと閑人と言うが全くである、介護、子育てから解放され、自分の時間はこうなんだと落ちつくまで、書く気も起こらない。いくら時間があっても心の整理が付かないうちは無理、何をするにしても。
ところで最近はまってる物がある、東京大衆歌謡楽団の高島三兄弟、毎日ユーチューブでの追っかけ、ジェロ以来。最初見た時はびっくり、全くのモボ、歌唱法が戦前、しかし不思議な声だ癒しがある、で毎日見てるうちに「細雪」の主人公四姉妹の夫、恋人のイメージにぴったり重なる。
長男孝太郎氏、三男龍三郎氏は長女鶴子の夫辰夫、二女幸子の夫貞之助のイメージ次男裕次郎氏は四女妙子の恋人奥畑の啓ぼん、板倉、三女雪子の夫になる御牧のイメージ原作を読んでくれればわかると思う。「細雪」はいろいろな視点から読めば、風俗、家庭、昭和の都会の上流家庭、その時代の女性の心模様といろいろな発見がある。
何度も読んだ、だからボヘミァンに死んだら棺桶に入れてくれと言ったが、親が死んだ時棺桶に本を入れていいかと葬儀屋に聞いたら「ダメです、まー本をバラバラにすれば別ですが」、親が好きな童謡だ、せめて本だけでもと。だから本はバラバラにした、しんどかった
「本はマーいいとしても千羽鶴はダメですよ、そのままの形で焼けますから」、崩れないってことか?棺桶に何でも入れないが、昔に比べて制約が多い、事前のリサーチが大事
横道にそれた、「谷崎潤一郎対談集【藝能編】」では、「細雪」は大谷崎も大変な入れ込みようで(作品として)、映画化、舞台化、放送劇に対しては注文があり、谷崎が想像する映像的イメージなど語られており、「細雪」を補足する良い文献だと思う
この対談集の面白さは後年大女優、大作家、大俳優も新人であり、大谷崎のいろいろな批評があって興味深い、しかし大女優は新人でも大谷崎の前でも臆することなく、自分の考えをしっかりいう、媚びないのがいい。谷崎の映画に対する考え、戦前戦後の映画の世界も垣間見えて面白い
最近のコメント