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学生たちの道

2010・2・8

 先週の金、土と吹雪と雪のため日に3,4回の雪かき。ボヘミアン塾の帰り迎えに来い、しかしチャンがいないので一人で帰る。手が真っ赤、先生がマスクをくれたので口に雪が入らず。生きた心地がしなかった、どれだけの思いで帰ってきたかを述べる、しかし歩けば10分くらいの距離である。あほかと思った。

 ところで西谷祥子の「学生たちの道」を読む。やっと手に入れたと言う感じ。20年ぶりくらいで読み返す。感動である。主人公アルバートの短期間の山あり、谷ありの青春の物語。これでもかと言うくらいいろいろな悲しみを襲う、挫折、裏切り、別れ、再会と人生の悲劇てんこ盛り、しかしアルバートは悩み苦しみ、絶望しながら、しかし最後は大団円。

 おちゃんがはじめて「学生たちの道」を読んだのは小学6年の時、週刊マーガレットに連載していた時、1冊50円、子ども心に感動した。青春とはすごいんだ、青春とは輝く事なんだと西谷祥子の絵の世界の美しさに憧れ、自分もその世界に浸った。しかし現実の青春なんてさほどドラマチックでもないが、それなりに楽しかった。だから今でも高校の友人とはつながってるし、先週も高校の時の友人とその息子の3人でランチ。その息子とマンガとアニメで話が盛り上がった。

 ところで今回も感動したが子供の時と決定的の違うのは、おちゃんがメンタルな世界にどっぷり浸かってるのでその目で読んでしまった事。これが30年以上前のおちゃんであればきれい事で片づけたと思う。確かに20数年前に読んだ時も面白かったが、特別感動はなかった。しかし今は違う。

 何よりも驚いたのは西谷祥子の「学生たちの道」に出てくる登場人物の成育歴からこのような性格、、生き方を選択するであろうと言うストリー展開がある程度的を得てる事である。一面ではきれい事過ぎるかもしれないが、しかし現実的な要素を含んでいるので単にきれいごとの青春物語ではない。主人公アルバートは親から健康的な愛情を受けて、成長したから後半で荒れた生活をしても立ち直り、学問と言う素晴らしさを体験してるので次の人生へとつながる。モーリスにしても学問の面白さ、素晴らしさを改めて体験したので出所後弁護士への道を選ぶ。ジョアンナにしても血が繋がってなくても親子の情愛は成立する、しかしこの場合は代理の親が素晴らしいという条件が付く。里親の場合でも十分慈しめば、本当の親子以上になりえる事が現実にある(いろいろ苦労もあるが結果として)。

 モーリスの父にしても、好きな女性を忘れるために別な女性と結婚した、最初は愛さなかったがしかし愛する。時を重ねればだが。子どもにすればショックだろう。モーリスがぐれたのもこれが原因である、分かる。しかしこれも現実にある。おちゃんが見逃してならないのはネロである。アルバートに決闘を申し込んで誤って自分で自分を殺してしまうが、ジョアンナとは義理の兄弟だある。ジョアンナが誘拐された後、養子として伯爵家の息子になるが元々が残酷な一面がある。その事実を知ってるのがジョアンナの弟アローである。ネロはいつ伯爵家から追い出されるかと言う不安が付きまとった。だから親の前ではいい子を演じていた、そして学生街では憧れの暴君ネロを演じる。ネロの場合は養子に来る前の環境は相当ひどいものであり、自分が養子と言う事を分かってると言う事は、ある程度物心ついてから養子に来たと考えられる。

 また忘れていけないのは苦労人にして善良なヨーゼフである。もしアルバートにヨーゼフという友人がいなければ、これだけの青年に短期間で起きた悲劇を乗り越えたであろうか。ヨーゼフはアルバートに人間とは、人生とは教えてくれた人である。ヨーゼフは言う「絹に包まれたあなたは生きていけない」と、現実の厳しさにアルバートのような坊ちゃんは無理なのである。アルバートは打算的な生活を選ぶがやはり続かない。

 てな具合で読むとかなり深い意味を持つマンガであり、絵やストーリの美しさだけに目を奪われてはならない。登場人物たちは最後大団円を迎えるが、それは素晴らしい友人、そして教育という物の素晴らしさ、面白さを改めて手に入れたからだとおちゃんは思う。きれい事だよなと言われるかもしれないが、教育は最低限きちんと受けるべきであり、友人は多く持つことである。少ないよりは多い方が良い。もし「学生たちの道」の登場人物がめちゃくちゃな環境、教育がなければ、最悪な結果を招いたと感じる。

 話はコロッと変わるが、やはりマンガの黄金時代は昭和30年、40年代である。本屋のねーちゃん(昭和46年生)も言う。少女、少年漫画は。後世に耐えうる漫画ばかりが生まれた時代である。おちゃんは後悔してる。水野英子「白いトロイカ」、青池保子「エロイカより愛をこめて」、長谷川町子「サザエさん」、藤子・F・不二夫「怪物くん」の本を売った事。本屋のねーちゃんにもったいないと言われた。もう本は売らない事に決めた。逆に今は昔の本を買い漁ってる。

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コメント

こんばんわ。初めてお邪魔します。私も10代前半に飛び飛びで読んだこの作品が好きで、どうしても完全版を読みたくてオークションで入手しました。私が少し疑問だったのは、いかに猫を被っていたとはいえ、ネロのような嫌な性格の子供を養子にするなんて、人間を見る目がない親だなと感じたことです。そこだけがやや説得力が欠ける気がしましたが、後は現代でも楽しめて感動できる本だと思います。西谷祥子さんの『ナナとリリ』を今、すごく読みたいんですがないですよねえ・・。

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